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私たち美少女は!

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彼女がやる気がない理由



 寮の同じ部屋に住む田中美優と一緒に帰った。彼女は無口だった。入学して1ヶ月、私たちはアイドルになる夢を見ているが、彼女は違う。
「私、この学校をやめたい」
私に、こっそり話した。
「どうして?」
「実は私の親が半強制的に、この学院に入学させたから」
「だって、日本列島各地から多くの応募者から選ばれたから、他の私立学園と違って学力だけでは入学できないのよ」
「私、ほんとうは美術などを習いたいの。でもお母さんが、アイドルになれば何もかもバラ色だと思って小学4年生の時から、この学院に入学させるためにダンス教室や水泳教室、それに女子バスケットクラブとかで強制的に鍛えさせられたのよ。学科試験に合格するために塾を二軒ハシゴしたから、テレビなんか観る暇は全然なかったの。私に自由な時間がないの」
「でも全員がアイドルになれるとは限らないし、アイドルデビューしても一躍人気者になって有名になれるとは限らないわ。私もアイドルになりたいために、この学院に入学したけど、もしアイドルになれなくても、社会に出た時に役に立つと思うの」
「だって毎日、水泳や体操、ダンスの練習ばかりで、身体がもたないわ。自分が学びたいことができないのは、とてもつらいのよ」
「もし変なこと言ったら、ごめんね。担任の南先生とよく相談したら」
「わかった。心配かけてごめんね」

 私と美優は寮に着くと、喫茶室で紅茶を飲んだ。テーブル越しで話し合った。
「美優、私に悩みごとを話してくれてありがとう。話しにくかったでしょう」
「うん。他の2人には内緒にして。それに、私、一人で行動したいから」
その時、寮内で働く職員も私たちが座っているソファーに座った。
「何の話しをしているの?」
「たいした話しではないわ」
その時、美優は自分から話した。
「私、親が決められたレールに走らされているの。本当はアイドルに興味ないの」
「そうなの!」
寮の職員さんは驚いた。
「倍率が高いし学科試験も体力試験も厳しいのに、良く入れたね。この学院は料理の勉強とか裁縫、衣類の勉強、デザインなどの勉強などがあるから、別にアイドルを目指さなくてもいいじゃない。意外と応用範囲は広いし、学院を卒業したら自分の好きな勉強をしても遅くないから」
美優は紅茶を飲み終えた。
「そうね。なんだか少し励まされたみたい。とにかく卒業まで頑張ってみるわ」
「さっちゃん、私の悩みきいてくれてありがとう。それから職員さんも、助言、ありがとう」
 美優と私は、同じ部屋に入った。学校の勉強をした。

作品名:私たち美少女は! 作家名:ぽめ