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空野 いろは
空野 いろは
novelistID. 36877
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安全な戦争

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「どうしてだろう」
 俺はそう問わずにはいられなかった。
 柏木や沢村を殺し、俺を保護してくれた村人を虐殺した。俺には帰れる資格があるのだろうか。そして同時に、どうして仲間を見送ることなんてできるだろうか。
 壁でうなだれたまま、俺はぼそぼそと呟いた。
「帰ってくれないか」
 綾乃にそう告げると、彼女は黙って部屋を出た。
 沈黙が訪れたのを確かめてから、俺は大声で叫んだ。
「くそったれだと!? 糞をする前と後にサーと言ってみろ!!」
 かつて、入隊したばかりのころの教官の言葉をそっくりそのまま使って、俺は叫んだ。本当にとんだくそ野郎だ。自分に誓ったものを守れないなんて。



 


作品名:安全な戦争 作家名:空野 いろは