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察人姫-第弐話-

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「福本……福本絵里ちゃんはシロ、高田……高田……あった、高田優香里ちゃんもシロ。伊東……伊東……んん?ないってことは二年生かな?」
 名簿と“更衣室A”の動画を交互に見ながらチェックしていくソラ。
 時刻は十二時すぎ。
 約一時間ほどこの作業に取りかかっているが、現在で除外された三年五組と六組の生徒は六人。死角をできる限り少なくするよう考えられて設置されたカメラだが、さすがに全てを映してはおらず、確実に離れた場所で着替えている女子も名前を読み取ることにソラは苦労していた。
「アイスココア机に置いておくからな」
「ん、ありがと。レポートは?」
「もうちょい」
 リビングで作ったココアを机に置き、さっきまで作業していたミツルの部屋に戻るユーイチ。すでに美奈子とアタルは寝たようだが、まだまだ二人に寝る気はない。
「ね、カッキーも映ってたけど見る?千早っちもあったよ」
「あほか」
 からかうように問うソラは画面を凝視しすぎたためか一時間前より疲れている。それでも調査は続ける。マイペースではあるが、やると決めたことには全力を尽くす。
 それがソラという女の子である。
作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司