「セックスアンドザシックスティーズ」 序章
「美紗子さんは身長いくつあるの?」映子が尋ねた。
「165センチよ。まだ縮んで無かったらね」
「縮むわけなんか無いでしょ!もう・・・それって私達に対するイヤミなの?」
ちょっとむっとした顔で映子が美紗子を睨んだ。
「そんな意味じゃないよ。人って歳を取ると背が縮むって言うじゃないの。だからそうじゃなかったら・・・変わらないって言う意味で言ったのに」
「美紗子さん、映子さんの言うこと気にしなくていいよ。あなたは背も高いしスタイルもいいから、ひがんでいるのよ・・・仕方ないけど女はそういうものよ」助け舟を出したのは恵子だった。
「喧嘩はやめて、予約してあるレストランに行きましょう」典子はタワーズと呼ばれるホテルでランチバイキングを予約していた。みんなを引き連れてエレベーターで15階まで行き、名古屋市内が一望できるカフェレストランに入った。
「素敵ね!こんなところでランチするなんて、久しぶり。皆さんと会えたお陰ね」映子はしみじみそう言った。
「映子さん、私だってそうよ。大阪から来た甲斐があったわ」恵子の言葉に頷いて映子は隣に席を取った。向かい合って美紗子と典子は座った。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 序章 作家名:てっしゅう