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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「ぶどう園のある街」 最終回

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結婚の話が決まった高見洋祐と大西美也子は時間の都合もあって婚姻届けを出して自分たちと双方の両親を招いて教会で式を挙げるだけにした。
高見が再婚であるという事もあって、友人は呼べなかった。本当に祝福してくれる身内だけで満足できた結婚式だった。
式を終えて外に出てきた二人に大きな拍手をしている女性が見えた。野村雅子は自分の娘のような思いで美也子を見つめていた。
真っ白なウェディングドレス姿のその人は、生きていたらきっと麻美もこんな姿になっていたんだろうとの想いが重なって・・・立ってはいられないほど泣けてしまった。
美也子がそっと近寄って肩を抱き小さな声で呟いた。

「野村さんに出会えて今日の自分があったと思います。本当にありがとうございました」
「美也子さん、幸せになってね。私にはあなたが麻美のように思えてならないの・・・」
「そうですか・・・天国の麻美ちゃんに感謝しなければいけないわ。それにショコラちゃんにもね。人の縁って不思議だって思います。これからもずっと私を見守ってくださいね」
「もちろんよ!命の続く限り・・・忘れることなんかないわ」

もう夏を思わせる暑い日差しが照りつけていた。


「ぶどう園のある街」終わり