「仮面の町」 第十一話
「天木さん・・・止めて下さい。そんなこと・・・俺は恥ずかしいよ。息子ぐらいの君に諭されるなんて・・・刑事だった頃にミスをしてそれが原因で交通課に左遷された。いい加減な気持ちで仕事をしてきたから、あの事故のことでも上官からこうしろと言われて、ハイと言ってしまった。刑事としての信念を失っていたんだ・・・今目覚めたよ。この事件は俺が解決する、任せろ」
「山崎さん!本当ですか?」
「ああ、首になっても構わない。証拠は俺が握っているからな」
「ありがとうございます。助かりました。とりあえず長井医師にはお話が聞けるように連絡していただけませんか?」
「解った。君も納得したいだろうからな・・・今日電話入れておくよ」
「じゃあ。失礼します。お忙しいところありがとうございました」
「何言ってるんだ。俺こそ感謝しているよ・・・自分が警官なんだって当たり前に考えさせられたからな。じゃあ元気でな・・・そうだ一緒の人彼女だろう?幸せにしてやれよ・・・あまりそういうことや仕事ばかりに打ち込んでほったらかしにするなよ」
「解ってますよ・・・お気遣いありがとうございます」
作品名:「仮面の町」 第十一話 作家名:てっしゅう