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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・希望編」 第一話

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母親は自分を理解してくれた。後は佳恵だけだ。電話口で話がしたいと伝えるともう雄介の言いたいことが解るかのように佳恵は、「いいよ」とだけ言って逢う約束をした。
多くを語らずに雄介は「結婚することにしたから他にいい人を見つけてくれ」とだけ言った。
「ずっとあなたは誰かと付き合っているんだって・・・感じていた。今まで可愛くない私と付き合ってくれて・・・ありがとう。ウソじゃないよ。本当に感謝しているんだから」
「すまない・・・騙すつもりじゃなかったんだ。考えて考えて出した結論なんだ。お前のこと生まれて初めて好きになった。それは本当だ。直ぐにお互いに忘れられないかも知れないけど、佳恵との二年間は俺にとって大切な時間だった。ありがとう・・・」
「雄介、幸せになってね。私の事忘れてもいいから、もう好きになった人を離さないようにしてあげてね。しばらくは何も出来ないかも知れないけど立ち直って私も幸せになるから、心配しないで」
「佳恵・・・絶対に幸せになってくれ。お前は可愛いから直ぐにいい人が見つかるよ。本当だ、自信持ってくれよ」
「うん、ありがとう。これ以上逢ってると辛くなるから、帰るね。元気で・・・年賀状ぐらい頂戴ね」
「ああ、出すよ。お前も元気でな・・・」

阪神梅田駅で佳恵を見送る最後の日になった。姿が見えなくなるまでずっと手を振って「さよなら」をしていた雄介の目にうっすらと光るものが見えた。初めて声を掛けた日のこと、若狭にキャンプに誘った日のこと、テントで裸で抱き合った時のこと、クリスマスイヴにホテルで一つになれた日のこと、佳恵の家で両親と話したこと、全てが走馬灯のように浮かんで・・・そして忘れられない思い出となって行く・・・