俺とみこの日常 9話
チュン、チュン
「…朝か」
朝だ。
昨日、あれから後、優美ちゃんはすっかりおとなしくなっていた。
…大人しくなっていたとは言っても、セクハラが無くなっただけ。
いつも通り、みんなと話していた。
寝るときの部屋割りは、
優美ちゃん…優美ちゃんの部屋。
みこ&まりちゃん…みこの部屋。
また暴走するかもしれないから、と優美ちゃんが決めた。
が、まりちゃんはまだ安心できないらしく(特に優美ちゃんが決めた辺りが)、
さまざまなところに罠を仕掛けていた。
………あれ?
ここで、ちょっとした違和感に気付く。
今日は土曜日。
なのにみこがまだ俺の部屋にこない?
いつもなら、『いい朝だよ!!』とか言って部屋にくるのに。
もしかして…、んなわけない。きっとあれだ。
優美ちゃんがいるからだ。
そうは思いながらも、気になる。
万が一の事があったら。
バッ(立ちあがる音)
そしてドアに手をかけて、開く。
…あれ?何かに引っかかってる。
なんだろう?
ドアから布が見える。
ベランダに干した洗濯物?
いや、昨日の夜は干してなかったはず。凍るから。
じゃあなんだ?
そう思い、もう一度ドアを開こうとする。
ガツッ
…にっぶい音がした。
「ぅーん」
「…優美、ちゃん…?」
反応がない。
が、今の声は優美ちゃんのものだ。
なら、あの手が…。
いや待て。ここで使ったらまた昨日と同じ…。
「優美ちゃーん、起きてー!!」
「………」
返事がない。
さあ、どうするか。
……今日は休日。無視していいよね。
「さ、久しぶりに2度寝しますか」
そう言って、みこが来て以来初めて、二度寝をした。
作品名:俺とみこの日常 9話 作家名:ざぶ