俺とみこの日常 9話
優美、まりサイド(視点変更 みこ→まり)
さて、優美はどこにいるかなっと。
まだ遠くには行ってないはずだけど…。
あの後…蒼大さんがみこの頭をなで始めた辺りから、あたしは優美を捜しに家を出た。
…後で優美捜索に出られないようにマットを仕掛けておいた。
…まあ、靴脱げば済む話だけど、足止めくらいになら、ねぇ。
おっ、優美。
目の前10mの位置に優美発見。
駆け寄って行く。
↓
優美、気付く。
↓
優美、全力ダッシュで逃げる。
↓
まり「逃がすかぁ!」
あたしから逃げ切れると思うな!
20秒後。
捕獲成功。
本来、優美は足が速いのだが、今はみこの身体。
…確か、みこは徒競走(5人中の)4位。
負けるはずがない。
「はぁっ、はぁっ」
優美の息切れがすごい。
「みこちゃん、足、遅…、げほっ」
なんか死にかけみたいだ。
「んで、なんで、追いかけて、来たの?」
「あー、一つ言いたい事があって、ね」
「まさか、まりちゃんも、そーくんちゃんの事を?」
優美が悲しげな顔をしながら、聞いてくる。
「いや?そんなことないよ?…どっちかって言うと、アンタの方が好き」
優美の目が見開かれる。
「まりちゃ」
「勘違いしないで。恋愛感情じゃないから」
「それでも、それでも嬉しい!」
おっと、あたしは告白しにきた訳じゃないんだった。
「あたしはね、優美に諦めるなって、そう伝えに来たんだ」
「え…?」
「あの、いつも明るく、一回拒否してもしつこくセクハラしてくる、そんな優美に戻ってほしい」
「………」
「蒼大さんから、優美ちゃんを取り戻す。そういう気でいてほしいの」
…取り戻した場合、蒼大さん余るけど。
「…そう、そうだね」
「分かってくれた?」
「うん!このままそーくんちゃんに宣戦布告だ!」
優美が元気を取り戻した。
…やっぱり、優美はそうなくちゃね。
「あたしのみこちゃんを渡すものか!」
作品名:俺とみこの日常 9話 作家名:ざぶ