未来からの来訪者
目を覚ますと、さくらはいなくなっていた。彼女に貸していた布団はきれいにたたまれており、その上には手紙があった。
『昨日はありがとうございました。おかげで、気持ちもすっかり楽になりました。ここに来てよかった。あたし、お父さんのこと、今までよりももっと好きになりました。今度会うのは、三年後になると思います。その時は、またよろしくね。お父さん』
お父さん? 僕のことか?
そういえば、いくつか思い当たる節がある。そうか、彼女は未来から来たのか。生きる希望が、楽しみができたかもしれない。いつか持つであろう家庭のことを考え、僕は少し幸せな気分になった。