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メル友に逢いたい

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メル友に逢いたい



 長島恒之はパソコンのサイトで知ったティアラさんに会ってみたいと思っている。彼はパソコンの画面で見たティアラさんの描いた油絵の写真にひどく感動し、その作品を手に入れたくなった。テレビにパソコンを繋いだ画面でも見たそれは、素晴らしくきれいな港の絵で、恐らくヨーロッパのどこかで描かれたものだと思う。こんなに美しい様々な色彩が画面上に渦巻くような絵が、この世にあったのかと誰でもそれを見れば感嘆するに違いない。どの建物の色も実に魅力的だったが、それぞれの建物の窓々に咲く夥しい花にも、また、水に浮かぶ船の色にも、驚異的に豊富な色彩がちりばめられていた。殊にヨットの姿を映す水面は、鑑賞者を夢中にさせるのだった。
 長島はすぐにメールを送った。
「ティアラさんの絵を拝見するのは二度目ですが、今度のものは明るくて本当にきれいな絵ですね。どこへ行って描いたのでしょうか」
「これは夢の中で見た風景です。夢追い人さんの小説もすてきです。最新作の童話に凄く癒されました」
作品名:メル友に逢いたい 作家名:マナーモード