小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

夢の運び人 14

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

――夢の運び人は、少年の勉強机立てかけてあった本を読んでいた。その本の題名は『悪魔大辞典』という。いくつかのページに付箋が張ってあり、その中でも『ルシファー』という項目に興味を引かれてた。
 ふと、少年が眠りから覚めそうな気配を運び人は察知する。本を丁寧に閉じて、運び人はすっと消えた。
 運び人が消えた後、少年は身を起こす。目を擦りながら一つ大きな欠伸をして、不思議な感覚にしばらく浸っていた。自分の中から何かが抜けたような、そんな感覚だった。
「シュウー。起きなさーい」
 閉じたドアから少年の母親の声が聞こえる。少年はベッドから下りて身支度をし朝食を取った後、いつものように学校へと向かった。
 その日、少年のクラスに転校生が来る。少年より若干背の低い、黒いロングの髪の少女だった。
 少女は少年の隣の席に座り、少年を見て美しい微笑みで言った。
「ありがとう」
作品名:夢の運び人 14 作家名:うみしお