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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「仮面の町」 第十話

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「優子、一度山崎警部に会っておきたいと思うから、今から陽子さんに電話して都合を聞いてくれないか?出来れば今日病院の行きか帰りに会えると助かるけど・・・」
「聞いてみるわ」

陽子からの返事は、夕方なら手が空くと言うことだった。病院は3時に約束していたからちょうど好都合だった。
弘一と優子は総合病院の外科病棟にある休憩室に案内された。担当医師が現れたのは3時を15分ぐらい過ぎた頃だった。

「お待たせしました。外科の長井といいます。遅れまして済みませんでした」
「いえ、お忙しいところ無理を言いました。天木弘一と言います。こちらは高木優子です」
「どうそお掛け下さい。ところでお話しはどういうことでしょうか?」
「一月半ほど前にあった交通事故で運ばれてきた二人の男女の治療に当たられていますね?覚えてらっしゃいますか」
「はい、覚えていますよ。酷い状態だったから・・・運ばれてきた時はすでに手遅れでした。そのことが何か問題でもあるんでしょうか?」