「初体験・選択編」 第五話
担当者が何故自分の結婚を聞いたのかこの後直ぐに解った。それは前々からその担当者が気にしていたからだった。
相手も独身で交際相手を探していたのだ。くすっと笑って小枝子はもし言い寄ってきたらどうやって断ろうか考えていた。
夕方に雄介が出勤してきて朝の話を伝えた。
「そうなの。広くなることはラッキーだね。これからは店に高いギターを並べるから商談スペースがあると助かる。なんだかおれたちに追い風になっているよミドー楽器店は」
「そうね。あなたの言うとおりかも知れない。それとね昨日の続きの話をしたいから店終わったら少し時間頂戴」
「良いですよ。どうします?ここで話しますか、他所へ行きますか?」
「そうね・・・」
「枚方に行きましょうか?」
「雄介!もう・・・そういうことしたいんじゃないから!」
「怒った?」
「怒らないけど、本気にしちゃうからいやなの」
「本気ですよ」
「今日は真面目な話がしたいの」
「ここで話しましょう」
「そうね、じゃあシャッター降ろしてからね」
作品名:「初体験・選択編」 第五話 作家名:てっしゅう