「初体験・選択編」 第五話
「すみません、俺が言い出したことで迷惑みたいで・・・」
「何言ってるの!迷惑なんかじゃないのよ。とっても嬉しいの。お金の事は任せて頂戴。それより具体的にはどうなのかしら?」
「はい、まず今あるギターの在庫を全て売り切ります。結構古いものが多いですから。陳列の方法を変えて楽器を入り口に近い方へ移します。
本数は場所と陳列スタンドに置ける本数を計算しないとわかりませんが・・・30本ぐらいは欲しいですね。有名メーカー品に絞って安いものから高額品まで展示します。エレキギターも同じように展示します。レコードは少し在庫を減らしてヒット曲に絞りましょう。ジャズやラテンなどの昔売れたジャンルのものは返品して交換しましょう。それと楽器の小物を充実させたいですね。たとえば部品とか、交換弦とかですね」
「よく考えてくれているのね。どのぐらいの金額になるのか計算できる?」
「ざっとですが、ディスプレイ棚も含めて・・・300万ぐらいになると思います。問屋さんで聞いた高槻市のお店がそうやって成功しているそうです。金額はその店に掛かった費用だそうです」
「そう・・・300万・・・」
昭和47年の300万は今のざっと1000~1200万ほどの価値になる。
作品名:「初体験・選択編」 第五話 作家名:てっしゅう