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牙狼<GARO> -MAKAISENKI-外伝・落日の都

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二、使命




 女がいた。彼女は都内のオフィス街に勤め、その人当たりの良さと愛嬌のある容姿で職場の人気者となっていた。
そんな実直で勤怠も良い彼女が毎晩、違う男を誘い、そして金から何から巻き上げて丸裸にしていくという、そんな本性を誰も知る由がなかった。

「ったく、ちょろいわ…ほぉんとカスみたいな男ばかり」

 夜道を歩く彼女の前に、男が一人立つ。それに気づかなかったのは彼女が手元の札束に見とれていたからだろう。結果、美しく派手に着飾った彼女は目の前に現れた男に腹部を包丁で何度も刺され、血の池の中に沈んだ。立ち去る男の顔を見た。最初に自分が堕落させて、人生の絶頂からどん底へと落ちていった男だった。
 辛うじて息がある彼女は、どす黒い血の中に沈み、醜く汚れていく指輪に手を伸ばした。何人目の男かはもう覚えていない。彼から家庭や仕事毎、奪ったものだった。そこに映り込んだ血みどろの自分が、笑った気がした。

…なんて美しい。

 斯くてそこに<陰我>は生まれ、彼女の人としての生は幕を閉じた。