蒼い空と爽やかな風
そんなことがあった翌週の土曜日に、創美会のメンバーの何人かが東京ディズニーランドへ行くことになった。正確に云うと、メンバープラスメンバーの友人たちが、そこへ行くことになった。私はそういうことに参加するタイプの人間ではなかったが、いつの間にかそのメンバーに加えられていた。それは、私が車を所有していたからだと、私は思った。
東京ディズニーランドの各アトラクションでは、男女がペアになった。「スペースマウンテン」でも、「ホーンテッド・マンション」でも、私の隣には石沢さんが居た。運命の「カリブの海賊」でもそうだった。
「カリブの海賊」では、私たちはなぜか最後尾の席に座った。そのアトラクションは暗い水路を流れて行くボートでの移動だけというものだったが、水路の左右には様々な仕掛けが待っていて、海賊が強奪した金銀財宝が照明の中で輝いていたり、白骨死体があったり、というものではなかったかと思う。だが、私にとっても、石沢さんにとっても、そういう見せ物などどうでも良かったかも知れない。その理由はボートに乗り込んで動きだすと間もなく、水面が急に低くなっているところに差し掛かり、照明のない真っ暗なそこを超えたときの、予期していなかったショックはただならぬものだった。だが、そんなことよりも大きな事件を、その直後に私は起こしていた。