「初体験・選択編」 第四話
京阪四条駅まで行って、鴨川にかかる四条大橋を渡って阪急大宮駅まで歩いた。風は冷たかったがのんびりと歩く二人には時間がそれほど気にはならなかった。阪急電車で箕面まで行き山本家に着いたのは午後二時を回っていた。
「ただいま!お母さん、雄介さんが見えたよ」
「わざわざすみません、おめでとうございます。旧年は大変お世話になって今年もよろしくお願いします」型どおりの挨拶を交わして家の中に雄介は招かれた。
「お昼食べてきたの?小枝子」
「まだなの・・・何かあるかしら?」
「お歳暮に頂いたうどんならあるけど、どうする?」
「それでいいよ、私が着替えてから作るからお母さんはゆっくりしてて」
「いいよ、私がやる。お客様がいるしあなたは着替えて座ってらっしゃい」
「そう、ありがとう。雄介さん着替えてくるから少し待っててね」
「はい、遠慮なくどうぞ」
「雄介さんうどんしか無くてゴメンなさいね。直ぐ作りますからテレビでも観て待ってて下さい」
「ありがとうございます」
10分ほどして小枝子は普段着に着替えて雄介の傍に来た。
作品名:「初体験・選択編」 第四話 作家名:てっしゅう