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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「哀の川」 第二十七話

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しばらくして、純一は環の携帯番号へ電話をかけた。呼び出し音はするが出ない。二度目も同じだった。次の日もかけた。結果は同じだった。諦めかけて、かけないでいると、数日後にかかってきた。

「ごめんなさい、純一君。出てはいけないと思って出なかったんだけど、やっぱり話したくなってかけたの?何か変わったことがあったの?」
「先生!突然帰っちゃうから心配しました。新任には前田先生が赴任されましたよ」
「ああ、智子ちゃんね・・・おっぱいの大きな子ね、純一君は見とれたんでしょう?違う?」
「先生は鋭いですね・・・彼女にも詰め寄られましたよ。あっ、言って無かったですね。早見と付き合っているんですよ」
「そう、由佳さんと・・・かわいい子だからお似合いよ。大切にね。前田先生と変なことになっちゃいけませんよ」
「なりませんよ!嫌だなあ・・・それより、ボク神戸の大学へ進学を決めたんです。今から受験勉強頑張って志望校に入りますから、応援してください」
「そうなの・・・神戸にねえ・・・親戚でも居るの?」
「パパの実家があるから、そこから通うつもりです」
「それは良かったね。親元を離れるのか・・・彼女心配だろうなあ、純一君はきっともてるだろうから。病気とか妊娠とかに気をつけなきゃダメよ」
「先生にもそういわれちゃ、僕も信用が無いって感じですね。まあ、そうだけど・・・」
「少しぐらいは男は遊ばないと出世できないって言うから、構わないけど、彼女には絶対にばれないこと、病気を移したりすることが無いように心しなさいよ。それから、最後になったけど、私結婚するから今月に。父が決めた人と・・・これが最後のチャンスだから、自分で決めた。純一君のこと忘れないから・・・ありがとうね」
「先生、良かったですね、幸せになってください。遠くから祈っています」
「うん、嬉しいわ。子供が出来たら教えるね。じゃあ、さようなら。勉強頑張ってよ。応援しているから」
「はい、では、またかけます。さようなら」

環からこのあと思わぬ電話がかかってくる。純一には信じられないことが起こっていたからであった。