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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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切り取られた日付けの町

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田村は自分は教師であることに気が付いた。
学校に行きたいと思った。
「ママさん、近くに学校はありますか」
「直ぐに創りますから」
「酒ではないですよ」
「解ってます。子供たちもね」
田村には何の事か理解できなかった。
「この店の前が学校ですよ」
ママに言われ店から出た。
言われたように学校があった。
学校に入る前に田村は深呼吸をした。
薄い海水の臭いがした。
これでアルコール臭さも消えるだろうと田村は思った。
子供たちに会うのに酒の臭いはまずいと思った。
教室には子供たちの笑い声がしていた。
田村は教室の外から眺めた。
新しい先生がいた。
この学校には海水の臭いが消えていた。
乾いた空気の臭いであった。