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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・選択編」 第三話

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「乗りましょう」
「ええ」
席は空いていなかったのでドアー越しにもたれかかって二人は立って外を眺めていた。
「毎日見ている風景だけど、今日は違って見えます」
「どうして?正月明けだから」
「違います。こうして二人で眺めているからです」
「雄介ったら・・・朝からそんな嬉しい事言ってくれて、どうにかなっちゃいそう・・・」
「どうにでもなってください。俺はいいですよ」
「バカ!お参りする前から不謹慎なことを言うと罰が当たるわよ」
「そうでした。俺なら良いけど小枝子さんに悪いことがあるといやですからね」
「・・・」
何も答えずにそっと手を差し出した。
急行電車が伏見稲荷駅に着くまで人目を憚るようにずっと・・・手はつながれていた。