入ったもの出たもの ―しんにゅう―
(体験者:カクタス)
ぼんやりとした橙色が、ほのかに障子を彩る夜のこと。
「……終わったぁ」
その光を放っている部屋は、きょうだい棟にありき。アッシュ少年とカクタス少年の部屋である。
今二人は机を寄せ合って宿題に精を出していた。二人が片付けようとしているのは明後日に提出する予定の宿題(兄は数学、弟は英語)で、協力し合ってようやく終わったようだ。
二人はお互い礼を言いつつ机の上に広げた宿題を片付けていく。
「助かったよ」
「気にすんな。私も分からないところが分かって助かったしな」
「俺の方が助かった、何せ分からないところだらけだったからな」
「嘘吐け」
和やかに言葉を交わしつつ、すっかり机の上が片付くと、兄弟達は押入れから布団をとり出した。
ぼんやりとした橙色が、ほのかに障子を彩る夜のこと。
「……終わったぁ」
その光を放っている部屋は、きょうだい棟にありき。アッシュ少年とカクタス少年の部屋である。
今二人は机を寄せ合って宿題に精を出していた。二人が片付けようとしているのは明後日に提出する予定の宿題(兄は数学、弟は英語)で、協力し合ってようやく終わったようだ。
二人はお互い礼を言いつつ机の上に広げた宿題を片付けていく。
「助かったよ」
「気にすんな。私も分からないところが分かって助かったしな」
「俺の方が助かった、何せ分からないところだらけだったからな」
「嘘吐け」
和やかに言葉を交わしつつ、すっかり机の上が片付くと、兄弟達は押入れから布団をとり出した。
作品名:入ったもの出たもの ―しんにゅう― 作家名:狂言巡