「仮面の町」 第七話
「それは想像がつくの。でも、そこが私の一番不快なところなの。父もそういう考えで意見がぶつかった私に出てゆけと言ったからね。許せないのは父もだけど、そういう風潮なの。あなたの協力でひょっとしたら少し前進するかも知れないって思えるの。今まで誰も逆らわなかった久能に汚点を付けようとしているんだからね」
「くれぐれもやり過ぎないようにしないと危険だよ。裏社会の人達だって味方につけているんだから」
「ありがとう、忠告は受け止めさせてもらうわ。陽子も早く好きな人見つけて幸せになってね。その時は応援するから」
「うん、チャンスが来ればいいけどね。あなたのようにきれいじゃないから、声なんかかけられないでしょうけどね」
「そんな事ないよ。自分で可愛いって思わなきゃ・・・可愛くなれないよ。頑張ってね・・・じゃあ、電話本当にありがとう」
「気をつけてね、じゃあ」
作品名:「仮面の町」 第七話 作家名:てっしゅう