「初体験・選択編」 第二話
選択編 第二話
春休みが過ぎて新学期が始まった雄介はダイエーのアルバイトを辞めた。理由は小枝子の店を手伝うことだった。レコード店の名前はミドー楽器店といった。ドレミファソラシドからとったミとドをもじってミドーとしていた。
これまで小枝子がやっていた入荷したレコードに一枚一枚管理カードを記入して挟みこむ面倒な作業を雄介はしていた。売れた時にこの管理カードを抜いて保管し、まとめて月曜日に問屋に注文する方法でレコードは管理していた。
新譜が出る20日前後には大量のレコードが入荷して残業する時もあった。人気がある歌手のレコードは直ぐに売切れてしまうので、あらかじめ多めに注文する見込みを出さないといけなかった。小枝子と相談して枚数を決めて雄介が注文書に記入してセールスに
渡していた。まだファックスもなかった時代だったので、毎週やってくるセールスマンに手渡すか、電話で番号を言いながら注文していた。
月曜日はなかなか電話がつながらなくて困っていたので良い方法がないかと考えていた。
作品名:「初体験・選択編」 第二話 作家名:てっしゅう