ふたりの漂流記
ふたりは手を繋いで後部デッキまで歩いて行った。星の数は先程よりも多くなり、様々な色を見せて輝いていた。
「ねえ、こんなにたくさんのお星さまがあったら、動かない星に流れ星が衝突してしまうよ」
「意外だったな。圭ちゃんは何でも知っていると思っていたよ。いいかい?今ふたりで観ている星の全てが凄い速さで走っているんだ。だから、流れ星は動かない星と衝突することはないんだ」
そう云うと白瀬は圭の身体に自分の両腕を巻いてから口づけをした。それは、初めての口づけとしては新記録となるかも知れない程の長い口づけだった。
了