猫と箱と水
どうせあなたは、生きているとか死んでいるとか言いたがるんでしょうけど。
箱は水で満たされています。
猫は死んでいる。
猫は魚じゃないですから、猫は死んでいるのです。
おかしな人。
どうして今更、猫に名前を付けたがるんです。
どうして箱を、大事にかかえているんです。
放っておくのはかわいそう?
やさしい人。
いつか高いところへ上る時、箱を踏み台にするんでしょう。
そうして高いところへ上ったら、猫の名前を称えるんでしょう。
「ああミケ、君のおかげだありがとう!」
美談ですね。
箱に水を注いだのは誰なのか、忘れたわけではないでしょうに。