ナマステ!~インド放浪記
「撤廃されたとはいえ、この国にはまだまだカースト制度の残骸が残っている。
靴磨きの親の子は靴磨き、乞食の親の子は乞食のままだ。どんなに優秀でも、そ
れを超えることは難しい。それがインドだ。」
煙をまるで、怪獣が炎を吐く様に、その獣の様な顔の口からボーっと吐き出しな
がら、ゴリさんが教えてくれました。とても複雑な気持ちです。私がポーターと
して指名した、2名の乞食の男の子は、本当にうれしそうに屈託無くニコニコ笑
っていました。自分達が幾ら頑張っても、今以上に生活が良くなる、地位が向上
するという事は無いのだということを、あの子たちは知っているのだろうか・・・・。
なんちゃってベンツは、どんどん明かりが少なくなって、漆黒の闇に包まれた道
を進んで行きました。遠く前方に、明かりが見えます。私達が泊まるホテルが近
づいてきました。ホテルには、商社のベンガルさん(仮名、日本人です)が待っ
ているはずです。彼とは初対面です。ホテルに着いてから連絡する事になってい
ました。ホテルのレストランバーで一杯やりながら、翌日のスケジュールについ
て打ち合わせをする事になっています。
このベンガルさんには、大変驚かされ、助けられる事になります。
作品名:ナマステ!~インド放浪記 作家名:ohmysky