更新日時:2012-02-29 09:22:12
投稿日時:2012-02-25 22:36:08
ペンで作った死者に指を差される
作者: 中川 京人
カテゴリー :純文学小説
総ページ数:1ページ [完結]
公開設定:公開
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著者の作品紹介
たとえば、ドラマや映画、それからもちろん小説の中でも、死ぬことがストーリーに沿って馴染んでしまう人物っていますよね。
わたしはそういう脚本や処理にちいさな反感を抱いていました。ペンで殺された作中人物の代弁です。美しくなんて死ななかったよ、この世が終わるまでは、と。
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小説家や脚本家は、主人公以外の登場人物を殺し、それから始まる物語を書く。じつはその死とは多くの場合、書き手と読み手の両者が納得するような筋書きを飾るという役割を果たします。
──まあ、そうでないとねえ。
それでいいんでしょうか。
それでいいんでしょうか。
作中人物の殺害など、どうせペンによる架空のものなのだから、どんどんやっちゃってください。ただね、死はどこまでも異物で邪魔者でXXXXXなんです。日替わりランチに添える酢の物一品なんかじゃないんだ。
どうせ作りものなら、本物を越える悲しみを書いてほしい。
読者を遺族にしてほしい。
彼らがやらないなら、わたしがやるまでです。
そんな気持ちでいます。
2012.02.29 わずかに修正しました。
感想コメント (7)
なるほど 納得ですわ。 | 退会ユーザー | 2012-04-27 00:07:29
メラ様。ありがとうございました。本音では、死という意のままにならぬ難物は、できれば避けたい(書ききれないので)と思っているのです。 | 中川 京人 | 2012-03-05 19:01:10
これはなんともキレのある文章であり、発想でありますね。同じような事を考えた事がありますが、こうやって発展させるのも面白いですね。 | 退会ユーザー | 2012-03-05 14:59:57
リビド・アナキリ様、ありがとうございます。わたしたちは作り物であればこそ、熟慮し緊張し、異物としての死を描こうとするはずなのです。この作品は文意に沿って都合よく死んでくれた作中人物への詫び状なのです。 | 中川 京人 | 2012-02-29 12:34:50
題名と〆の台詞へ辿り着かせるまでの話かと思いましたが同じ経験があります。十代の時、事故でした。やや皮肉っぽく書きましたけど説明文の「どうせ作りものなら」のフレーズで黙ります。死人に口なしとは言えども。 | 退会ユーザー | 2012-02-29 11:07:23
夢みるあんずさま、コメントありがとうございます。「どきっ」という心の動き、うれしいなあ。余談ですがコメントの最初の5文字で、夢みるあんずさんからだとわかりますw。 | 中川 京人 | 2012-02-27 11:50:35
あ、これは。どきっとしました。同じ様なこと、私も考えたことあります! | 退会ユーザー | 2012-02-27 10:19:14