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茶房 クロッカス 番外編

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 その後、小橋さんはコーヒーを一口飲んで、思い出したように言った。
「――ルイちゃんも大きくなったよなあ。早いもんだ」
「ああ…」
「ところで、聞いたことなかったけど、ルイちゃんの名前って何か意味があるの?」
「ルイの名前?」
 俺はチラッとルイに視線を向けた。
 ルイは沙耶ちゃんと幼稚園での話をしているようだ。
「――もちろんあるさ!」
「どんな?」
「もしかして、この本の続きを書こう――とか思ってない?」
 そう言って俺は「茶房 クロッカス」を指差した。
「アハハハ、悟郎ちゃんには敵わないなぁ。――チラッと思ってる」
「やっぱり!」
 俺はニヤリと笑った。
「フフッ。で、名前の由来は?」
 小橋さんがしつこく聞く。
「ああそれね。『類は友を呼ぶ』って諺があるだろ?」
「うん」
「まあ、それに近いところで、いい友達がいっぱいできたら良いなって。そう思ったのさ。ルイは友を呼ぶ――ってね!」
「なんだよー。それじゃあダジャレじゃないか!」
「まあ、そうも言えなくもない。――ここだけの話だぞっ」
 俺は途中から声をひそめて、小橋さんの耳元で囁くように言った。
「――だけど可愛い名前だと思わないかい?」
「うん、思うよ」
「だろう!」
「フフフフッ」
 今度は控え目に二人で笑い合った。

「さあ、ボチボチ帰るかな」
 そう言って小橋さんはカップをぐぐっと傾け、残りのコーヒーを飲み干した。
「じゃあ、これねっ」
 お代を俺に手渡すと、彼は沙耶ちゃんとルイに「また来るよ」と、言葉を残して帰って行った。

 玄関の外まで送って出た沙耶ちゃんが、外からドアを見つめたまま、しばらくそこに佇んでいる。どうしたのかな?