トレーダー・ディアブロ(8)
グレリアは目の前で起こっている事が信じられず、レクサスから降りて西京の家の方を見た。
煙が晴れるにつれ、次第に西京の家があった場所が露になる。
しかし、そこには最早家と呼べる様な物は無かった。
そこにあるのは、ただの瓦礫の山である。
辛うじて、玄関が残っており、元々そこに家があった事を認識させてくれる。
彼は夢遊病者の様にフラフラと西京の家に向かった。
「そんな……、そんな……、ディアブロ……、ディアブロオオオオオオ!」
先程まで西京の家だった瓦礫の山に、グレリアの叫び声が響いた。
作品名:トレーダー・ディアブロ(8) 作家名:砂金 回生