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「こちらは世界の正位置には完全、総合、成就などといった意味があります。その逆は、まあこの際置いておきましょう。このタロットが指す意味は、まあこの場合は大団円でしょう。要は、この事件は丸く収まるということです」
　そして、最後に死神のカードを指差す。
「しかし、その結果に至る過程があまり良くありません。死神のカードは、まあ、これは意味を説明しなくても分かりましょう」
　そう言って、ちらりと五月雨を目配せする。
　五月雨は少々気味の悪い気持ちになりながら、その死神を手に取る。
「要は、死によって過去の行いを贖う。よって結果は良い方へと転がるというのが、この占いの意味するところであると思います」
「じゃあ、あいつら死ぬ気なの？」
「そんなんで解決するわけねぇだろ」
　そんなわけがない。彼女らは死ねない身体だ。いや、しかし、彼女らは死ぬ方法を探しているようであった。つまるところ、死ぬ方法を見つけたということなのだろうか。あの血塗れの廊下の中に。
　再び、部屋の中を見回す。部屋は雑多に物が溢れ、とっちらかっている。