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携帯電話

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例えば、
遠く離れた恋人同士の遠距離恋愛会話。
携帯電話は、お互いの今ある場面のムードをまずは五感機能で感じ入り、事実を整理してくれる。

彼氏は淡い夜霧の中にいる。
遠くで汽笛の音がもの悲しくボー、ボーと。
そして、ほのかな海の香りがする。

そんな状況を、まず彼女の方に伝達してくれる。
そこで彼氏は、彼女にできるだけ優しく、しかし堅い決意を語り掛ける。

「君を、これからも愛し、ずっと守って行くよ」

一方、彼女は霊妙な月の明かりの下にいる。 
そこはかと神秘な花の香りがする。 
そんな情報が彼女のケイタイから彼氏に伝達される。

そして彼女が・・・・・・これがまた・・・甘く切なく、
「私一人を、ずうっとずうっと大事にしてね」と囁く。

こんなケイタイ会話。
その結果として、第六感機能が互いの心理状態をセンシングして、それを伝えてくれるのだ。 

彼氏のケイタイからは、「深くて、不滅の愛の気配あり」と彼女に発信される。
それに応えて、
彼女のケイタイの方からは、「強く抱かれたい思いがある」と、第六感機能の情報が流される。
これにより二人はより幸せ気分となる。
その結果、愛はさらに育まれていくというシステムなのだ。

そんな次世代型の携帯電話が発売された。

機種名は、ズバリ
「ザ・シックスス・センス・モバイルフォーン」(第六感機能付き携帯電話)
 
若い人達には超人気だ。


作品名:携帯電話 作家名:鮎風 遊