カシューナッツはお好きでしょうか?
86.ふけさん
本日は晴天で、季節は夏。
暑さと蝉の声が入り混じり、夕刻の空に波打つ。
赤と黒が入り混じる空には、もう星が輝いている。
そんな星が見下ろすのは、眼下にうねる人の川。
今日は祭り。
歓喜の集い。
そんな祭りの熱気は空へとのぼり、恐ろしい入道雲が世界に広がる。
そんな世界は今日も平和で、今日も残酷だ。
そして銀河は、今日も綺麗に澄んでいる。
そんな銀河以上に、彼女の瞳は澄んでいて、私は思わず瞳の奥のブラックホールに引き込まれた。出会って数分で、私は心を掴まれそうになった。
あぶないあぶない……。さすが一流アイドル、これは惚れてしまう川島君の気持ちがわからんでもない。私も、カエデさんより先に出会っていたら、心を奪われていたかもしれない。
そう思えるような、素敵なアイドル。それが、私がハルカ君に出会って最初に抱いた感情だった。
作品名:カシューナッツはお好きでしょうか? 作家名:タコキ