カシューナッツはお好きでしょうか?
23.カエデ
ふけさんとカラオケに行ってから10日後。私はふけさんに喫茶『パンヌス』に呼び出された。
「ごめん、待った?」
ふけさんは集合時間より30分遅れで喫茶『パンヌス』にやってきた。
「遅い!」
私は鬼の形相でふけさんを睨みつけた。
「ごめんよ。でもさ、今日はいい報告があるから、それで許してよ」
ふけさんはやけに上機嫌だった。
「見て驚くなよ! ほら! すごいだろ!!」
ふけさんは分厚いレポート用紙の束を私の顔に突きつけてきた。
「ちょっと! 近すぎて見えないわよ!」
私はふけさんの手からレポート用紙の束を取り上げた。レポート用紙には
『ご当地アイドルによる地域活性化について 企画書』
と書かれていた。
「これは……?」
私の頭にはたくさんのクエスチョンマークが浮かんでいた。
作品名:カシューナッツはお好きでしょうか? 作家名:タコキ