カシューナッツはお好きでしょうか?
16.カエデ
ショッピング、ランチ、ボーリング、スイーツ、ゲームセンター。私は日ごろの鬱憤を晴らすように、ふけさんを連れて遊び歩いた。当然、お金は全てふけさんに払わせた。
「次はカラオケよ!」
「すいません……お金が……」
「そう? じゃあ、しょうがないわね」
「あきらめてくれるんですか?」
「銀行に行ってから、カラオケに行きましょう」
「……はい」
ふけさんは酷く落ち込んだ表情で銀行へ向かった。
「さてと、まずは何から歌おうかな?」
ふけさんの財布が少しふくらみをとりもどしてから、私達はカラオケ屋に入った。やっぱり、日ごろの鬱憤を晴らすには、歌うのが一番だ。
「恋して〜♪ 恋してラブミー♪」
私は最初から十八番(おはこ)の曲である、アイドル『立ち漕ぎシスターズ』の名曲、『恋してラブミー』を熱唱した。
作品名:カシューナッツはお好きでしょうか? 作家名:タコキ