小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

カシューナッツはお好きでしょうか?

INDEX|133ページ/139ページ|

次のページ前のページ
 

118.警察官川島



 今日は久しぶりに、ハルカちゃんとランチだ。何でも、頼みごとがあるらしいのだが、まぁ、理由は何でもいい。会えればそれで、大満足さ!

「いらっしゃいませ」

 俺はいつもハルカちゃんと食事をするときに使う、イタリアン『天使のお零れ』の店内に入った。すると、

「あ、川島さん! こっちこっち!」

 俺のことを呼ぶ声が聞こえた。ハルカちゃんかな? と思いそちらの方を見ると、そこにはカエデちゃんがいた。はて? 何故カエデちゃんが? 俺はそう疑問に思いながらも、招かれるがままにカエデちゃんのいる席に座った。

「何でカエデちゃんがいるの? ハルカちゃんは?」

「あ、ハルカなら遅れてきますんで。ご心配なく」

「はぁ……それならいいんだけど」

 俺は少し気落ちしながらも、ハルカちゃんが来るならいいかぁ、と思い『天使の涎パスタ』を注文した。

「実は、川島さんに話があるのは、私なんです」

 カエデちゃんは一足先に頼んでいた『天使のくしゃみピッツア!』を食べながらしゃべり始めた。

「そうなの? 何の話?」

「いや、まぁ、私がどうこう言うことじゃないんだけどさ、ハルカのこと、守ってあげて。あの子、ああ見えて結構弱い子だからさ」

「え? えっと……?」

「うん、まぁ、その、私アイドルやめるから、ハルカの側にいられなくなっちゃうしさ」

「え、ええ? カエデちゃんアイドルやめるの!?」

「それに、私はハルカの“一番”を奪う決心、しちゃったんだよね…………」

「えっとね、カエデちゃん、全然話が読めないんだけど……」

「うん、やっぱりアイドルにとって自分のことを無条件で、全身全霊で好きでいてくれる人の存在って大きいからさ。今のところ川島さんしかいないんだよね、ハルカにとってのそういう人は。だからさ、何をしてあげて欲しいとかはないんだけど、いつまでも、ハルカのこと好きでいてあげて。そして、その好きだっていう気持ちを表現してあげてよ。お願いね」

 カエデちゃんの目は強く澄んでいて、俺は拒否することなどできなかった。

「わかった。任せてよ! むしろ俺には、それだけしかできないけどさ」

「よかった。川島さんありがとう」

 カエデちゃんは俺に向かって深く頭を下げた。

“この子は結構ガサツな子だと思っていたが、存外礼儀が正しくて友達思いの良い子なんだなぁ”

と俺が思った瞬間、

「それで、ここからが本題なんだけど!」

 カエデちゃんは勢い良く顔を上げた。そして、勢い良くしゃべりだした。

「ふけさんの居場所教えて!!」