「初体験・小枝子編」 第一話
「言えないならいいよ。元気になったら電話下さい。ゆっくり休んで・・・療養してください」
「本当にありがとう・・・ごめんね雄介さん・・・ゴメンね」もう声にならなかった。
電話を切った後も雄介は小枝子の様子がとても心配になっていた。元気だった人がどうしたんだろうか・・・そう考えれば考えるほど、心配が増して来た。電話口で話せるぐらいだから顔は見ることが出来るだろうと思い、明日車で自宅まで行ってみようと決めた。
ちょうどいい練習にもなる距離だったし、学校の授業も休みだったから都合が良かった。
地図を何度も見て住所を確認してその日は寝た。翌朝授業が無いことを母親に伝えて運転の練習をしてくるとウソをついて車のエンジンをかけた。
作品名:「初体験・小枝子編」 第一話 作家名:てっしゅう