小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

茶房 クロッカス 最終編

INDEX|38ページ/46ページ|

次のページ前のページ
 

 カラ〜ン コロ〜ン
「やあ、いらっしゃい。京子ちゃん」
 京子ちゃんはなぜか嬉しそうな顔で、何かを大切そうに胸に抱き締めている。
「いらっしゃい。京子ちゃん」
 沙耶ちゃんも声を掛ける。
「こんにちわ。悟郎さん、先輩」
「何だか今日は嬉しそうだね」
 俺が京子ちゃんの顔を見て言う。
「うふっ、分かる?」
 京子ちゃんが恥かしそうに笑った。
「その笑顔の原因は、胸に大切そうに持ってる、その封筒かぃ?」
 そう言いながら、彼女の手にしている封筒に視線を注ぎ、
「誰からの手紙かなー?」と、にやりと笑った。
「――実は、京平からの手紙なの」
「えっ! そりゃあ本当かぃ?」
「ほらっ、見て」
 そう言った京子ちゃんは、その白い封筒を俺に見せた。
 確かに表には京子ちゃんの名前、そして裏には京平の名前が書いてあった。
「京子ちゃん、これ……」
 俺が戸惑っていると、
「中も読んでみて」と、京子ちゃんが嬉しそうに言う。
「いいのかぃ?」
 俺の問いに京子ちゃんはしっかり頷く。
「分かった」
 俺は覚悟を決めてその手紙を封筒から出し、広げていった。
 そこには初めて見る京平の文字が並んでいた。