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茶房 クロッカス 最終編

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 ――さて、みのさんと花屋夫婦に話しただけなのに、なぜか瞬く間に俺たちの結婚の話は広がっていた。
 次の日、噂を聞いて重さんはやってくる。小橋さんはやってくる。
 京子ちゃんや薫ちゃん、普段忙しくてなかなか来れない刑事さんまでやってきた。
 みんな驚きながらも、心からのお祝いを言ってくれた。
 ただ小橋さんだけは、相手が優子だと知ってかなりショックを受けていた。

「えぇーーっ、あの優子さんが悟郎ちゃんの意中の人だったなんてなぁ、信じられないよ。ホント世間は狭いよな〜。悟郎ちゃん、絶対に彼女を幸せにしてやってよー」
 若干やっかみ半分に言ってるのが見えみえだったけど、それも小橋さんの愛情表現なのだろう。
「小橋さん、残念だったね。フフッ、俺は絶対に彼女を幸せにするから、これっぽっちも心配はいらないよ。それより小橋さんも、そろそろ浮気の虫は封じ込めて、奥さんだけにしたらどうだい?」
「あれっ、参ったなー。薮蛇だったかぁ〜。アハハハ……」
「ハハハハ……」
 
 そして俺たちは、来年の春に向けて着々と結婚式の準備を進めていった。
 一日の時間って、誰でも一律二十四時間のはずなのに、幸せな時っていうのは本当に過ぎるのが早いと感じるものだと実感した。