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茶房 クロッカス 最終編

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 ファミレスでの会話は周囲の人が呆れるほど盛り上がり、気が付くとかなり夜更けていて、みんな翌日は仕事が控えてもいるので大慌てでファミレスを後にした。
 みんなと別れて自転車で帰る道すがら、俺は夜空の星の一つひとつにまで、
「ありがとう!」と言いたい心境だった。

 家に帰り布団に入っても、興奮している俺の脳ミソはなかなか睡魔を寄せ付けなかったが、優子のウェディング姿を想像してる内に、いつの間にか眠ってしまっていた。
 その夜久々に夢に両親が現れた。
「ほらね、私の言う通りちゃ〜んと会えたでしょ!」
 お袋が自慢気に言った。
「あぁ、ありがとう。感謝してるよ」
 俺はそう言いながらも、相変わらず両親が手を繋ぎ合ってるのを見て、
《チェッ。相変わらず仲がいいなぁ。あっそうだ! 俺も今度から優子と歩く時には手を繋ごう》
 そう思いついてニヤリとした。
 
 そして、意外と短い睡眠から目覚めた翌朝は、素晴らしく爽快な朝だった。
 それからの日々は言うに及ばず、毎日が二段階分くらい、それまでに比べてテンションが上がっていた。

「マスター、最近やけに明るいよね。何か良いことでもあった?」
 常連客からも頻繁に聞かれた。
「ちょっとね!」
 その度に笑顔ではぐらかしていた。