小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

D.o.A. ep.17~33

INDEX|59ページ/66ページ|

次のページ前のページ
 


「……」


なんだろう。 悪い夢でもみているのだろうか。
光が消え、現れた光景に、そんな現実逃避をしたくなった。
一直線に裂かれた、焼けた大地。
その果てにあったはずの半島は、跡形もなく消し飛んで、半球の穴がぽっかりとできている。
海水もその部分だけが蒸発し、高熱のあまり凄まじい量の湯気がたちのぼっている。
ソードは言葉を発することができず、変わり果てた世界を前に、無言で立ち尽くした。
あの爆発の瞬間、多くの命が、何の意味もなくうしなわれた事実に、絶望しながら。

―――消し飛んだ半島は、第1軍と第5軍の将兵が、今まさにオークとの戦闘を行っていた区域だった。

あの白い獣は、ばけものですらない。
天災という、大いなるわざわいの具現そのものだ。
人の手にはけっして負えぬ、大自然の暴力だ。
彼らは、天災によって、一片の肉片たりとも存在を許されず、消し飛んだ。

「…なんて、ことを」

ソードは膝をつく。
うずくまる彼に、キルフィリアが歩み寄り、そっと耳もとでささやいた。

「いいかげん、余計な荷物なんて棄てて、楽になったら?」



*******

作品名:D.o.A. ep.17~33 作家名:har