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どうする?

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「あらら、いつの間にか二月じゃないの」
カレンダーを捲りながら、節子が呟いた。

二月生まれの彼女は親に【節子】と名付けられた。
節分に ちなんで付けられたと思われるが、節子の誕生日は、二月三日ではない。
カレンダーを二月に直し、そこにマークされた日付を指でなぞった。
(これだけ派手にマークしてあれば誰か気付いてくれるわよね)
そうなのだ。節子の誕生日は、四年に一度、閏年にだけそこに存在している。
印刷物のプラス1(いち)の日だ。
節子は、節分の豆を本当の年齢の四分の一を食べる。だから四年間は同じ数しか
食べない。
なのに、何故かバースデーケーキは毎年ホールでどーんと用意して食べるのだ。
まあ、女子というのは、そういうところは、ちゃっかりした生き物だと思うが・・・。
だが、節子もお年頃。この言い方は、いくつを基準にすべきか、時代の流れとともに
不明瞭になってきているのだが、まあそれなりに思うところとしてのお年頃。
素敵な男性が『ここの店、君と来たかったんだ』などと美味しいと評判のレストランを
リザーブして、花束を抱えてエスコート。食後には、花火が煌めき燃えるバースデーケーキにプレゼントが仕込まれて『まあ嬉しい』なんて、それこそ四年に一度か、流星群の訪れくらいの時を経て、出すくらいの声で答えてみたい希望は・・・『は』である。・・・ある。
・・・がしかし、そう簡単に、『はい、やってきました』というものではないことも、
節子自身の理解は・・・『は』である。・・・している。・・・つもりだ。

作品名:どうする? 作家名:甜茶