ネクタイ猫
「猫でいられるのは明日の夜まで。あさっての朝は自分の部屋で目覚めるはず。それから人間が猫になっているのがわかるように目印があるのよね」
「目印?」
「そう。そこに鏡があるから見てごらん。首元にネクタイのような模様があるでしょ?それが男性の目印。女性はまた違うんだけどね。女性はつま先だけでなく足の付け根まで白いの。四本ともね。ストッキングの替わりかな?うふふふ」
鏡の中の俺は胸元に白いネクタイ模様を確かに付けている。
「これが人間の証拠か・・・。他の猫でこんな模様があったら、それは人間なのか?」
「そうですよ。近くに私のような魔女がいる時にのんびりしたい~と言ったりしたら、それを叶えてあげてます。絶対のんびり出来ますって。保証付きよ」
もう猫になってしまったんだから、今日と明日の二日間猫として楽しむしかないなぁ。
でも彼女が帰ってきてあの胸に抱かれて、頭を撫でられたりしたらと考えるだけで、喉のゴロゴロの音はだんだん高くなっていき、シッポがパタパタ叩く音が激しくなっていった。
以下続く・・・かもしれないけど、とりあえず終わり。