恋色季節
「るな-っ!」
「にぃ〜」
「…」
只今、あたしは理央君家にいます。
今日は理央とお家DEデート。
なのだが、るなちゃんと戯れています
だってさだってねだってよっ?!!
このうるうる瞳に見つめられた暁には…
思考回路はショート寸前♪
だってばぁあぁぁっ!!
「にしても、るながなつくなんて珍しいこともあるもんだね」
「にぃ〜」
足にじゃれてきたるなを抱き上げる。
「そりゃ、やっぱさ!解んじゃないの?!人間の善悪がさっ」
「……ふーん」
「あのさ…そんな魚の召されたような荒んだ目するのやめてくんない?」
痛い子みたいじゃないか。
窓が露点を越え、曇っている。
スー…
スー…
安心しきったのか、るなは私の膝で規則正しい寝息を立てている。
「ずるい…」
「え?」
じとーっと今度は理央が見つめてくる。
「そんなにるながいいならるなと付き合いなよ」
「いや、それ道理にかなってないから。」
「…」
黙る理央。
ちょっと意地悪しすぎたかな?
理央を焦らせることに有頂天に昇っていた
のもつかの間…
「るな…ちょっとこの人にお仕置きしなきゃなんなくなったからどいて」
「…にぃ」
寝ぼけながらも抵抗するるな。
すると、理央は一瞬こちらを見て、るなに視線を戻し妖艶に笑った。
「退かないと…巻き添えくっちゃうよ?激しいから」
「はぁい?!!」
「にぃ〜…」
仕方ないな
とでもいうように、るなはひょいと私の膝から降りた。
「ッちょちょちょちょちょちょっ!!!!見捨てないでるなーっ!!」
「従順でしょ?家の愛猫は」
再びニヤっと口角をあげると、理央はじりじりと迫ってきた。
何々ッ?!!
大人の階段の〜ぼる♪
あたしは極限状態になると歌の歌詞が頭のなかでながれるのだろうか…。
ドサッ…
「じゃ、イタダキマス」
絶 体 絶 命
「ぎぃやぁああぁぁあぁッ!!!!」
ぱふ…
口が手で塞がれた。
「冗談だし」
「〜っ!!!!」
顔がタコさんウィンナーだぞコラァッ!!
きっと真っ赤であろうあたしの顔を見て、理央は笑った
無邪気に…
「でも、そんなに嫌がることないじゃん」
「っだあってさ!!」
本気でめちゃくちゃ凄まじく焦ったんだよコノヤローッ!!
…ちゅっ
「仕返し。」
「…」
思考回路はショート完了♪
「紗希…?」
「…」
「ねぇ、「ぎゃあぁあぁぁっ!!」
…。」
やっと意識が戻る。
「だから…そこまで拒絶しなくてもいいじゃん。
それにもっと激しいのシたこと「そろそろそのお口閉じて頂けるかしら?」
…ちぇ」
そういって私の上からおりた。
「ったく、TPOを考えろっ!!」
目が合わせらんないじゃないか!
「考えた結果だし。密室だから絶好のチャンスじゃん」
「一回綺麗な川を見に逝っておいでよ」
「イくのは紗希も一緒にね?」
「ぎゃあぁあぁぁ!!誤字ってるぞッ!!それ違うぞぉおッ!!」
「…ねぇ、黙らせていい?」
「ごめんねっ!!」
やっぱり敵わないと悟った紗希ちゃん。
「紗希のケチ…」
「そゆ問題ちゃうやろっ!!」
ムスッと膨れる理央にすかさずツッコミをいれる。
「…じゃあせめてちゅー溜めさせてよ」
「なっ?!!」
「ね…?いいでしょ?」
そんな捨てられた仔猫みたいな瞳であたしを見るなよぉおっ!!
罪悪感に侵食されちまうぜよ…っ!!
「…」
「無言は肯定とみなすからね?」
「はっ?!!ちょ、何でさ!!」
―グイッ!!
「っ!!ん…っぅ」
「…ん」
キスは浅いものから段々深いものへ―…
「っぁ…はっ…んんっ」
「…は…っ」
繋ぎ止めるような、そんなキス。
時間がこのまま止まればいいのに―…
何度願ったことだろう…そのまま長く永く私達はキスを交わした。