恋色季節
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To:心優
Sub:無題
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ごめん!先に帰るね!
神崎先輩にも謝っておいて下さい。
本当にごめんね!
-END-
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「送信っと…」
今は東京駅のホーム。
連絡をいれることを忘れ、今さらながらメールを打った。
そして何も考えずに走り出した。目的地は理央の家。
テニスボールのインパクト音が聞こえる。
「はぁっ…はぁ」
階段がキツい。
でも、今はそんなことどうでもいい気がした。
階段をかけあがると、やはり君はここにいた。
「っはぁ…クソ…」
冷静な君はドコ?
壁打ちをしている理央からは、あの余裕表情は伺えなかった。
「っは…ぁ…っ!!」
珍しいこともあるもんだ。たかが壁打ちで理央が打点を誤るなんて…
ボールは壁の凹凸に弾かれ、あたしの元へと転がってきた。
「…っ…?!っ紗希?!!」
「理央…」
泣きそうな顔でかけよってきた。
そしてまた、思いっきり抱き締められた。
「理央…ごめん…っ、ごめんなさい…っ!!」
「何で紗希が謝るの?悪いのは俺じゃん」
「違う…っ!!私が逃げてたんだ…」
そういってあたしも抱き締め返した。ちからいっぱい……
「留学なんてやだよ…やだよ理央…っ!!離れないでよ…っ!!」
「俺も離れたくないよ…っ紗希」
どちらともなくあたしたちは深くキスを交わした。
「
会えないわけ…ないよね?…ううん、あたしたちは会うんだ」
「うん。絶対に帰ってくるよ…待っててね、紗希」
アンタ呼ばわりされないことが凄く嬉しくてもう涙は止まらなかった。
「留学して…あたしをおいてくんだから…負けて帰ってきたら殺すから…っ」
「俺が負けるワケないじゃん」
またキスを交わす。
「だいすきだ、バカ」
「俺も愛してる…」
「2月になるまで、とことん愛してやるから…覚悟しろよ」
「紗希もね」
2回目のDキスは…1回目のときよりも熱くて…深くて…激しくて…切なかった―…。
「大好き」
あたしたちは絶対、逃げないよ―…
時間の感覚がなくなるまで抱き合っていた…
もう絶対、想いはすれ違わないから…
To be continued...