恋色季節
「さむ…」
今は冬休み。
新学期が始まらないから気は楽。
あれから理央とは会っていない。
連絡もとっていない。
というか…あたしがただ会わないだけ―…
会いたいのに…会いたくない…
矛盾してるといわれようが、それが私の今の本心。
「紗希っちぃーっ!!」
ドガッ―…
「聞いて聞いて!神崎先輩が神奈川に連れてってくれるって!」
「そう。逝ってこいよ」
「ぇ…」
ぎぃゃあー…
「で…ですから、紗希様もご一緒に行くのでござりまふる…」
「あそ。で、いつ?」
「ん?今からっ♪」
「…テメーはいつも話が唐突過ぎんだよっ!!」
きょぇー…
「あ…たし今日2回もひぃじいちゃんとご対面したよ…」
「アンタのひぃじいちゃんは生きてるだろ。」
「いや、幽体離脱でさ!」
「…」
ピーンポーン…
3度目のご対面はインターホンによって免れた。
「あっ!なお…神崎先輩じゃあーっ!!」
「は?マジで今からっ?!」
「もち子のロン毛っ!!」
人のセリフをパクりながら心優は私の手をひき、階段を駆け降りた。
「やぁ、紗希ちゃん。と、心優」
「あたしは付属品ですか?」
「え?十分でしょ?」
「……吊るす…。」
「クスッ…やってみなよ」
…。
目の前で繰り広げられる黒魔術を駆使したバトル。
つか、人を巻き込むな?
そして死闘が繰り広げられる中、あたしは観念し駅に向かった。