恋色季節
帰り道。
あたしは中村くんに送ってもらっている。
強制的に。
「ま、夏休みにはいるし…ちょうどよかったかもしんないね」
あたしの安堵の表情に中村くんは相当驚いているようだ。
ムリもない…。
「記憶喪失にちょうどイイ時期なんてないと思うけど?」
「…ねぇ紗希…。中子には話してもいいのかな?」
「は?」
夜空を見上げて呟くあたしに
疑問符を大量に浮かべる中村くん。
「紗希はね…」
空一面に輝く星
その輝きをたとえるならば
僕は迷わず
こういうだろう―…
「あのこの笑顔…
この綺麗な輝きを
もう失わせたくない―…
中村くん…
君に紗希を助けることが出来る?」
あのとき
輝きを失いそうな星は
ない記憶を必死にたぐりよせて
輝きをとりもどそうとした―…。
「もちろん」
射抜くような
挑戦的な瞳―…。
「さあ、どうだかねぃ」
あたしは賭けてみよう
この2つの輝きの
奇跡に―…。
To be countinued..