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失敗



「好きよ」
「ぼくも」
「大好き」
「ぼくも」
「愛してる」
「愛してるよ」
「でも、どうして?どうしてほかのひとと?」
「……成り行きだった」
「もう、修正できないの?」
「できるかな?」
「いまここに居るわたしたちって、最良のカップルだわ」
「今までの長い人類の歴史の中で、最も理想的なカップルだと思うよ」
「その意見に賛成だわ」
「確かに。そうなんだ。だけど、ぼくはきみ意外の女性と結婚してしまった」
「わたしもあなた以外の男性と、結婚したわ」
「間違った結婚だったと、ずっと、ぼくは思っていたよ。きみを心から愛していたからね」
「わたしも結婚したときから、結婚式の日取りが決まる前から、どうしてあなたと結婚しないのかと、不思議だったわ」