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舞うが如く 第七章 10~13

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舞うが如く 第七章
(10)民子と、咲



 暑気が強くなるにつれて、
製糸場内では、病人が沢山出てくるようになりました。
蒸気と熱湯だけでも高温になってしまう工場内が、気温の上昇と共に、
さらにうだるような環境に変わりはじめたためです。


 西洋医が診察にやってきました。


「大勢を、狭い部屋にとじ込めて置くから病気になる。
健康のためにも夕方から、夜八時半頃までは広庭に出して
たくさん運動をさせるように。」
と診断をして、その改善策もくだしました。



 早速、その広庭が工女たちに解放されることになりました。
役人による取締役が付添いを務める中で、 思い思いに、
九時頃まで遊ぶようになります。
しかしその甲斐も無く、それからほぼ二週間後になった頃に、
最年長の民子が、ついに体調を崩してしまいました。