museum
A「トリニダードトバゴってなんだっけ?」
C「鳥の名前だよ。」
A「あっ。鳥の名前かぁ。」
B「まるで、同じ光景を見ているようだ。俺の存在は無視されていた気がする。」
A「あー。なにを思い出そうとしてたんだっけ?」
B「お前は情緒不安定か。」
C「こいつは情緒不安定なんだよ。」
A「僕、情緒不安定なんだ。・・・・。はっ!あっ!思い出した!!今ので思い出した!! 」
BC「おー。」
B「奇跡ってあるんだなぁ~」
C「すごいな~。」
B「で、なんなの?」
A「博 物 館 だよ!」
B「え?え?」
A「だからぁ~。博物館だよ。」
C「おー。話があまりにも高い山を越え過ぎて分からないぞお。」
A「希少人類っているじゃん。」
BC「いない!」
A「いるんだよ! ほんっとに、知識がねーなア!」
B「アー!!むかつくううう。」
A「(得意げに)希少人類ってのはね。いわば、人間の絶滅危惧種みたいなものだよ。」
BC「なんだそれ。」
A「昔は結構居たけど、最近見かけなくなった種類の人とかいるじゃん。流行りものみたいなやつ。そういうのとか、あと、滅多に見ないような珍しい性格とか趣味持ってるやつとか、そういう人のことをいうんだよ。」
B「へー。それで?その希少人類ってのをどうすんだよ?」
A「そりゃあ、もちろん展示するんだよ。捕まえてきて。」
C「なんだか壮大だな。」
B「お前はホント珍しいものが好きだな。そんでもって極端すぎる。お前は極端人間か。」
A「なんだよ極端人間って。」
C「そのままだよ。いいな分かりやすくて。」
B「まぁ、面白そうではあるけど、いくら部員が増えたって言ったって大規模すぎるだろ。計画性が何もねーよ。無理無理。」
A「え~。え~えぇ~。(だんだん北の国から)」
C「ちょっと、トイレ行って来るよ。」
A「あぁ~。はいはい。」
B「本当に分かったのか?」
A「はい。」
「結局今まで通り、古本屋か。」
B「まぁ。ある程度儲かるし、いいんじゃないの。特別新しいことする必要はなかったわけだ。」
A「人が増えたのに?」
B「人が増えたのに。」
A「そうかぁああああ。」
B「増えたって言っても結局は三人しかいないんだぞ。十分だよ。さ、ここに居る三人で頑張りましょう。」
A「うん。ん?」
B「ん?」
A「ここに居る三人?」
B「うん。」
A「ここに居る?」
B「うん。」
A「うん?」
B「うん??」
A「三人って?」
B「ええ!?」
A「なに?」
B「なにって!!え?えぇ??え?なにが?どうして?いつ?どこ、えぇ!!?え?そういうこと?でも。ううん???うそ?どういうことですか!?」
A「なにがぁ?」
B「俺は。何か見失っているのだろうか? うん。だから、三人だよね?増えたんだよね。部員。三人で学祭の出し物考えてたんだよね。」
A「・・・・・・うん。」
B「だよねぇ!!!!あー。びっくりしたぁ!!だってさ、だってさ。あたかも、もう一人がいなかったみたいで、あー。もう、なんだ。ほんと、ほんと、本当だよ。なんだよぉ~。びびったぁ~。」
A「いやぁ。俺もびっくりしたんだよ。だってさ、お前、、あたかもここに三人居るみたいに言うからさ、一人さっき席外したのに。」
B「はぁー。何だびっくりしたなあ~。・・・・・・・・・・・・・・・ん?」
A「ん?(笑顔)」
B「いるよな?三人?」
自分を指し、Aを指し、中央客席側を指す。
A「え?」
B「え?」
C舞台袖からすっと現れ
C「(指で自分、A、B、客席側を指し)四人。」
暗転